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クラウドストレージの料金はいくらかかる?AWS S3とWasabiの料金を比較
クラウドストレージの料金はいくらかかる?AWS S3とWasabiの料金を比較
クラウドストレージを新規導入する会社にとって、気になるポイントのひとつが「料金」です。実際、クラウドストレージの利用料金はサービスによって大きく異なります。この記事ではAWSが提供する「S3(Amazon Simple Storage Service)」と、Wasabiの利用料金を比較していきます。
クラウドストレージの料金体系について
クラウドストレージの料金体系は、大きく2種類に分けられます。
①ユーザー課金
ユーザー課金タイプとは、クラウドストレージを利用するユーザー数に応じて課金される料金体系です。たとえばユーザー「1名あたりいくら、10人までいくら、100人までいくら」といった形で課金されます。
ユーザー課金タイプはあらかじめ利用人数を決めて契約するため、契約を変更しない限り毎月の支払金額は一定です。ただしユーザーが増減した場合は契約を見直す必要があります。またIDを与えられない(クラウドストレージを利用できない)ユーザーが、会社が把握していないクラウドストレージを勝手に利用してしまう「シャドーIT」のリスクもあるため注意が必要です。
ユーザー課金が向いているケース:比較的小規模な企業で使う場合、特定の部署やプロジェクト内で利用する場合
②従量課金
従量課金とは、実際に使用するストレージ容量ごとに課金する料金体系です。たとえば「50TB(テラバイト)までいくら」「500TBまで1GBあたりいくら」といった形で課金されます。
従量課金では、原則としてクラウドストレージを利用するユーザー数は関係ありません。あくまで「どれくらいデータをやりとりするか」によって料金が変わります。社内のユーザー数や取り扱うデータ量が変化しても柔軟に対応でき、特にデータ量が増えるほどコストパフォーマンスが高まるのが強みですが、一方で毎月の支払料金を正確に予測しにくいという欠点があります。
従量課金が向いているケース:中堅企業、大手企業が利用する場合
AWS S3とWasabiの特徴
法人向けのクラウドストレージにはさまざまな種類があります。なかでも世界的に大きなシェアを占めているとされるのが、米AmazonのAWS(Amazon Web Services)のS3です。ここではS3とWasabiそれぞれの特徴を簡単に比較します。
AWS S3とは
S3(Simple Storage Service)は、AWSに含まれるクラウドストレージ機能です。オブジェクト単位でデータを出し入れできるオブジェクトストレージサービスの一種で、自由で柔軟なデータ保存が可能です。加えて、データの耐久性や可用性、セキュリティの高さにも定評があります。
法人向けのクラウドストレージでトップクラスのシェアを持つことから、AWS純正だけでなくサードパーティー製の各種ツールが豊富に用意されているのも強みです。
参考:Amazon S3(拡張性と耐久性を兼ね揃えたクラウドストレージ)|AWS
Wasabiとは
Wasabiは2017年に登場したクラウドストレージサービス(オブジェクトストレージサービス)です。AWS S3と互換でありながら「低価格」で利用でき、しかもS3よりも書き込み・読み込みともにスループットが高い「ハイパフォーマンス」が注目を集めています。もちろんS3で利用できるツールはプログラムの修正なしに利用できます。
AWS S3とWasabiの料金比較
法人向けクラウドストレージの代名詞ともいえるAWS S3と、S3互換のWasabi。どちらの料金体系も「従量課金」ですが、その内訳と料金の合計は大きく異なります。ここではUSDベースの月額で比較していきます。
AWS S3の料金
AWS S3では「ストレージの容量」「リクエスト」「データ転送量(データの取り出し)」それぞれに料金が発生します。契約プランによって細かな料金設定が異なるため、その全容を把握するのは容易ではありません。
一例として、以下の条件で1か月あたりの料金をシミュレーションしてみます(2023年9月4日現在)。
契約プラン:S3標準
ストレージ容量:500TB
データを取り出す場合:10万回
データ転送量:50TB
まずストレージ容量の料金は1GBあたり0.023USDなので「512,000GB×0.023USD=11,776USD」。次にデータを取り出す場合は1,000リクエストあたり0.00037USDなので「100,000回×0.00037USD=37USD」となります。S3標準ではデータ転送量あたりの料金は発生しないので、合計は「11,776+37=11,813USD」です。
料金:11,813USD
参考: Amazon S3 の料金
東京リージョンの価格を参考価格として算出しています。
Wasabiの料金
Wasabiの料金は非常にシンプルです。課金対象となるのは「ストレージ容量」だけで、リクエスト数やデータ転送に応じた追加料金はありません。上記のAWS S3と同じ条件でシミュレーションした場合、1か月あたりの料金はたったの「3,495USD」です。
料金:3,495USD
補足:今回の比較では、ストレージに関わるコストのみで比較のため、データの上り転送料金は、含まれておりません。
まとめ:クラウドストレージはコストパフォーマンスで選ぶのが正解
クラウドストレージには利便性やセキュリティが欠かせません。しかし「同じ機能、同じセキュリティ」なら、次に注目するのはコストです。WasabiはAWS S3互換ですが、料金体系がわかりやすく、しかもコストパフォーマンスに優れています。クラウドストレージを選ぶ際は、このように自社の利用データ量に合わせてシミュレーションを行い、最適なサービスを選ぶようにしましょう。
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料金
比較
the bucket
クラウドストレージを新規導入する会社にとって、気になるポイントのひとつが「料金」です。実際、クラウドストレージの利用料金はサービスによって大きく異なります。この記事ではAWSが提供する「S3(Amazon Simple Storage Service)」と、Wasabiの利用料金を比較していきます。
クラウドストレージの料金体系について
クラウドストレージの料金体系は、大きく2種類に分けられます。
①ユーザー課金
ユーザー課金タイプとは、クラウドストレージを利用するユーザー数に応じて課金される料金体系です。たとえばユーザー「1名あたりいくら、10人までいくら、100人までいくら」といった形で課金されます。
ユーザー課金タイプはあらかじめ利用人数を決めて契約するため、契約を変更しない限り毎月の支払金額は一定です。ただしユーザーが増減した場合は契約を見直す必要があります。またIDを与えられない(クラウドストレージを利用できない)ユーザーが、会社が把握していないクラウドストレージを勝手に利用してしまう「シャドーIT」のリスクもあるため注意が必要です。
ユーザー課金が向いているケース:比較的小規模な企業で使う場合、特定の部署やプロジェクト内で利用する場合
②従量課金
従量課金とは、実際に使用するストレージ容量ごとに課金する料金体系です。たとえば「50TB(テラバイト)までいくら」「500TBまで1GBあたりいくら」といった形で課金されます。
従量課金では、原則としてクラウドストレージを利用するユーザー数は関係ありません。あくまで「どれくらいデータをやりとりするか」によって料金が変わります。社内のユーザー数や取り扱うデータ量が変化しても柔軟に対応でき、特にデータ量が増えるほどコストパフォーマンスが高まるのが強みですが、一方で毎月の支払料金を正確に予測しにくいという欠点があります。
従量課金が向いているケース:中堅企業、大手企業が利用する場合
AWS S3とWasabiの特徴
法人向けのクラウドストレージにはさまざまな種類があります。なかでも世界的に大きなシェアを占めているとされるのが、米AmazonのAWS(Amazon Web Services)のS3です。ここではS3とWasabiそれぞれの特徴を簡単に比較します。
AWS S3とは
S3(Simple Storage Service)は、AWSに含まれるクラウドストレージ機能です。オブジェクト単位でデータを出し入れできるオブジェクトストレージサービスの一種で、自由で柔軟なデータ保存が可能です。加えて、データの耐久性や可用性、セキュリティの高さにも定評があります。
法人向けのクラウドストレージでトップクラスのシェアを持つことから、AWS純正だけでなくサードパーティー製の各種ツールが豊富に用意されているのも強みです。
参考:Amazon S3(拡張性と耐久性を兼ね揃えたクラウドストレージ)|AWS
Wasabiとは
Wasabiは2017年に登場したクラウドストレージサービス(オブジェクトストレージサービス)です。AWS S3と互換でありながら「低価格」で利用でき、しかもS3よりも書き込み・読み込みともにスループットが高い「ハイパフォーマンス」が注目を集めています。もちろんS3で利用できるツールはプログラムの修正なしに利用できます。
AWS S3とWasabiの料金比較
法人向けクラウドストレージの代名詞ともいえるAWS S3と、S3互換のWasabi。どちらの料金体系も「従量課金」ですが、その内訳と料金の合計は大きく異なります。ここではUSDベースの月額で比較していきます。
AWS S3の料金
AWS S3では「ストレージの容量」「リクエスト」「データ転送量(データの取り出し)」それぞれに料金が発生します。契約プランによって細かな料金設定が異なるため、その全容を把握するのは容易ではありません。
一例として、以下の条件で1か月あたりの料金をシミュレーションしてみます(2023年9月4日現在)。
契約プラン:S3標準
ストレージ容量:500TB
データを取り出す場合:10万回
データ転送量:50TB
まずストレージ容量の料金は1GBあたり0.023USDなので「512,000GB×0.023USD=11,776USD」。次にデータを取り出す場合は1,000リクエストあたり0.00037USDなので「100,000回×0.00037USD=37USD」となります。S3標準ではデータ転送量あたりの料金は発生しないので、合計は「11,776+37=11,813USD」です。
料金:11,813USD
参考: Amazon S3 の料金
東京リージョンの価格を参考価格として算出しています。
Wasabiの料金
Wasabiの料金は非常にシンプルです。課金対象となるのは「ストレージ容量」だけで、リクエスト数やデータ転送に応じた追加料金はありません。上記のAWS S3と同じ条件でシミュレーションした場合、1か月あたりの料金はたったの「3,495USD」です。
料金:3,495USD
補足:今回の比較では、ストレージに関わるコストのみで比較のため、データの上り転送料金は、含まれておりません。
まとめ:クラウドストレージはコストパフォーマンスで選ぶのが正解
クラウドストレージには利便性やセキュリティが欠かせません。しかし「同じ機能、同じセキュリティ」なら、次に注目するのはコストです。WasabiはAWS S3互換ですが、料金体系がわかりやすく、しかもコストパフォーマンスに優れています。クラウドストレージを選ぶ際は、このように自社の利用データ量に合わせてシミュレーションを行い、最適なサービスを選ぶようにしましょう。
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