Wasabi、パブリッククラウドストレージに関する調査「2023年Global Cloud Storage Index」のAPAC版を発表

2023年2月28日

  • 2023年のパブリック クラウド ストレージの成長率は、日本を含むAPAC地域がトップ
  • 日本のお客様は「データ保存」よりも「データ運用料金」により多くの費用を費やしており、予算の超過が課題に




クラウドストレージ企業のWasabi Technologies(本社:米国マサチューセッツ州ボストン、日本法人:Wasabi Technologies Japan合同会社(東京都港区)、以下 Wasabi)は、APAC (アジア太平洋地域 )におけるパブリック ストレージ利用に関する調査「2023年Global Cloud Storage Index」を発表しました。APACの企業や組織では、バックアップやアーカイブ、DR(ディザスタリカバリ)などの目的で、急速に増加するデータを保存するために、パブリック クラウド ストレージ サービスの採用が進んでいます。しかし、今回の調査の結果から、APACの多くの企業は、グローバル企業と比較して、ストレージ容量(データ保存)にかかる費用よりも、その運用に伴う各種の機能・サービスにかかる料金に、多くのコストを費やしていることが分かりました。

本調査は、企業のIT部門の意思決定者を対象に、Wasabiが委託した英国の市場調査企業Vanson Bourne社によって行われ、グローバル全体で1,000名(APACは日本100名、オーストラリア50名、シンガポール50名の計200名)から回答を得ました。調査の目的は、グローバルにおけるパブリック クラウド ストレージの導入に対する考え方やストレージ容量購入の意思決定に影響を与える要因、予算やユースケース、セキュリティ、クラウドへの移行に関する優先事項などを明らかにすることです。

Wasabiの戦略・市場情報担当シニアマネージャー(元IDCアナリスト)のアンドリュー スミスは、次のように述べています。「APAC市場の特徴は、デジタル変革を支援するために新しいテクノロジーを採用し、クラウドサービスを導入しようとする企業の意欲が高いことです。APACの企業は、クラウドストレージ費用の半分以上を、API操作、エグレス(出力ダウンロード)、データ検索にかかる『データ運用料金』が占めているにもかかわらず、同地域はグローバルク場の中でも、今後1年間でのクラウドストレージ量と予算の成長率が、最も高くなると示唆されています」

<APAC全体概要:パブリッククラウドストレージを活用し、マルチクラウド利用で他地域をリード>

  • 「パブリッククラウドに保存するデータ量が今後1年間で増加する」と予測した回答は、グローバル全体が84%、APAC企業では85%でした。
  • 「2023年にクラウドストレージの予算が増加する」と予測した回答は、グローバル全体が84%だったのに対し、APACの企業では87%でした。
  • 「2022年に、ストレージをオンプレミスからクラウドに移行した」と回答したAPAC企業は93%でした。これはグローバル平均の89%を上回っています。
  • APAC企業の61%が「複数のパブリック クラウド ストレージ プロバイダーを利用している」と回答しました。これは、グローバル平均の57%よりも高くなっています。


<日本:オンプレミスでの拡張には限界があるため、クラウドストレージへの移行率は高いが、費用や予算の超過が課題に>

  • クラウドストレージの利用料金は、「ストレージ容量にかかる費用」(49%)よりも、ストレージの運用や検索、転送、分析などの「データ運用料金」(51%)が高い比率となりました。これについては、シンガポールとオーストラリアではそれぞれ50%で、グローバル全体では、ストレージ容量の費用が51%、データ運用料金は48%、その他1%となっています。
  • 56%が、「2022年にIT予算を超過した」と回答しました。その理由は、データおよびストレージの使用量が予想を上回ったことに加え、データ運用料(地域間レプリケーションなど)が予想を上回ったことに依ります。
  • ストレージ容量をパブリッククラウドに移行する要因は、「オンプレミスで利用可能な範囲を超えたリソース拡張の必要性」との回答が43%で、最多となりました。
  • クラウドへの移行についての課題は、「移行プロセスに伴う計画的、または非計画的なダウンタイム」との回答が40%で、トップでした。

    <シンガポール:クラウドストレージプロバイダー選定の際の最重要項目は「持続可能性」>

    • インフラストラクチャーやサービスプロバイダーの取り組み、カーボンフットプリント計算などの組み込みツールといった観点からの「持続可能性」を重視するという回答が、52%でトップとなりました。これは、APAC平均の43%、およびグローバル平均の43%を大幅に上回っています。
    • 96%が、「2022年に、ストレージをオンプレミスからクラウドに移行した」と回答しました。これは、グローバル平均の89%よりも高くなっています。
    • 28%が、「2022年にIT予算を超過した」と回答しました。これはAPAC平均の51%、グローバル平均の52%と比較して、大幅に低くなっています。
    • 86%が、「2023年にクラウドストレージの予算が増加する」と予想しました。その主な要因としてシンガポールで際立った回答が、「新たな規制やコンプライアンス要件」で、49%でした。これは、日本やオーストラリア(ともに35%)と比べても、大幅に高くなっています。


    <オーストラリア:クラウドストレージの予算と容量の拡大に関する地域別予測で他をリード>

    • 92%が、「2023年にパブリッククラウドに保存するデータ量が増加する」と予測しました。日本は84%、シンガポールは78%が、そのように回答しています。
    • 98%が、「2023年にクラウドストレージの予算が増加する」と予測しています。これはAPAC平均の87%を大幅に上回っています。
    • IT関連予算のうち、14.4%を「パブリック クラウド ストレージ サービスに費やしている」と回答しました。日本企業は13.3%、シンガポール企業は12.2%でした。
    • 60%が、「2022年にIT予算を超過した」と回答しました。これはAPACの調査対象国の中で最大となっています。

    これらの結果を受け、スミスは次のように付け加えました。「APAC地域はあらゆるテクノロジーベンダーにとって重要な市場であり、現地のITリーダーから得たこれらの知見は、弊社にとって市場特有のクラウドストレージの利用や支出傾向を理解する上で非常に重要です。特に、ベンダー選定において『持続可能性』が重要な検討事項との回答が、シンガポールで際立っていますが、APAC平均でも43%となっており、今後注目すべき項目と考えています」

    「2023年Global Cloud Storage Index」の全文(英文)をご覧になりたい方は、こちらをご覧ください:
    https://wasabi.com/wasabis-2023-global-cloud-storage-index/

    <調査方法>

    Wasabiは、独立系の市場調査会社であるVanson Bourne社に、クラウドストレージに関する本グローバル調査を委託しました。調査では、企業でパブリック クラウド ストレージの導入に、何らかの関与や責任を負っているIT関係の意思決定者を対象に、グローバルで計1,000名に調査しました。調査は、2022年11月~12月、公共機関や民間企業を問わず、従業員数が100人以上の企業を対象としました。調査は目的に沿って、適切な回答者を対象とするよう、厳格なスクリーニング プロセスを経て行われました。

    Wasabiについて

    Wasabi Technologies LLCは、シンプルで予測可能、かつ手ごろな価格でHotクラウドストレージを世界中の企業に提供します。複雑な階層や予測不可能なイグレス料金を必要とせず、競合他社の5分の1の価格で無制限のデータを保存し、即座にアクセスすることを可能にします。世界中の何万もの顧客に信頼されているWasabiは、テクノロジー業界で最も急成長している、最も先見性のある企業の1つであると評価されています。Carboniteの共同設立者であり、クラウドストレージのパイオニアであるDavid FriendとJeff Flowersによって設立されたWasabiは、ボストンに拠点を置く非上場企業です。WasabiはBoston Red SoxのProud Partnerであり、Liverpool Football ClubとBoston Bruinsの「オフィシャル クラウド ストレージ パートナー」でもあります。Wasabiに関する日本語サイトは、こちら( https://wasabi.com/ja/ )。