マルチクラウド戦略のメリット
マルチクラウド戦略をとることで、経済性とパフォーマンスを向上させることができます。
あらゆる業界のあらゆる規模の企業が、ITインフラの費用と複雑さを削減し、イノベーションを加速するためにクラウドサービスを導入しています。 Infrastructure as a Service (IaaS)、Platform as a Service (PaaS)及びSoftware as a Service (SaaS) は、企業がハードウェアへの支出と運用費用を削減し、ITスタッフを事業活動に注力させることに役立ちます。
2020 IDGクラウドコンピューティング調査による550人のITに関する意思決定者へのアンケート回答者の81%がすでにクラウドコンピューティングインフラを使用しているか、クラウドに保管したアプリケーションを使用していると報告しています。回答者の12%は今後1年間において、残りの6%は今後1-3年間において、クラウドベースのアプリケーションを採用する計画を立てています。また、回答者の3分の1以上が、全てのアプリとインフラをクラウドに移行するよう圧力を受けていると述べています。
クラウドへの支出が増加
世界中の企業は、多くの予算をクラウドに割いています。 IDGの調査によると、企業のITに関する支出のうち、32%がクラウドに関する支出となっています。 2018年7月に実施されたForrester Consultingによる700人以上のITに関する意思決定者への調査では、回答者のほぼ半数がクラウドサービスに少なくとも5,000万ドルを費やしていると報告されています。多くの企業は、パブリッククラウドを使用して、サービスインまでの時間を短縮し、運用を簡素化しています。 Goldman Sachsは、1年間における世界のパブリッククラウドへの支出は、2021年までに1,150億ドルを超えると予測しています。
パブリッククラウドの活用
パブリッククラウドのみを活用する企業や、独自のクラウドインフラを構築している企業はありますが、多くの企業はその両方を組み合わせて使用しています。 2020年のFlexera State of the Cloudのレポートでは、96%の企業がパブリッククラウドを使用しており、76%の企業がプライベートクラウドを使用しており、74%の企業がパブリッククラウドとプライベートクラウドの組み合わせを使用していると報告されています。
パブリッククラウドvsプライベートクラウドvsハイブリッドクラウド
パブリッククラウド、プライベートクラウド及びハイブリッドクラウドを組み合わせて、クラウドサービスを実装することができます。
パブリッククラウドとは、リモートでホストリング、管理、共有されたマルチテナントのIT環境を指します。 複数第一世代のパブリッククラウドが存在します。Wasabiもその1つであり、次世代IaaSストレージソリューションです。
プライベートクラウドとは、専用のテナントを使用したクラウド環境を指し、通常は仮想化技術を用いて実装されます。企業によっては、企業のデータセンターまたはコロケーションセンターに独自のクラウドを実装し、管理しています。
ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方で実装されているクラウドを指します。
マルチクラウドによるコストメリットとパフォーマンスの向上
多くの企業は、複数のパブリッククラウドとプライベートクラウドを使用することでロックインを避け、費用を最小限に抑え、パフォーマンスを最適化するために、マルチクラウド戦略を採用しています。RightScale社の調査では、93%の企業がマルチクラウド戦略を採用している一方で、7%のみの企業が単一のパブリックまたはプライベートクラウドを使用しています。今日、調査対象となった企業の多くはすでに5種類のクラウドを利用しており、そのうち3種類は本番アプリケーション用、2種類はテスト用として使用されています。
豊富な選択肢
複数のプロバイダーを利用することで、ロックインを回避し、パフォーマンスを改善することができます。
最高レベルの機能性
オブジェクトストレージ、コンテンツ配信、ベアメタルコンピュートなど、特定のサービスに特化したクラウドプロバイダーを選び組み合わせることができます。
価格とパフォーマンスの最適化
指定の地域でご要望の機能を提供する最適なクラウドを、価格とパフォーマンスの観点から選ぶことができます。
耐障害性の向上
複数のクラウド上でアプリケーションを実行したり、データを保存したりすることで、クラウドサービス停止時にも事業を継続することができます。
グローバルなコンプライアンスへの対応
様々なクラウドを組み合わせて使用することで、地域ごとに異なる政府の規制に対応することができます。
Gartner:ハイブリッドクラウドストレージへのアプローチ
- 「TCOの削減は、ハイブリッドクラウドストレージ導入における最優先事項です。しかし、見えない費用も多く、TCO削減を実現することは困難でした。」
- 「企業が利用している多くのオンプレミスストレージとパブリッククラウドストレージについて、最近まで両者を連携させる有用な方法が無かったため、互いに独立しており、有効活用されていなかった。」
- 「企業のデータセンターとクラウドIaaSプロバイダー間のネットワーク帯域が限られているため、大容量のデータをハイブリッドクラウドストレージに保存することは困難であった。」
クラウドのより良い選択肢
第一世代のパブリック クラウド プロバイダーは、オープンAPIやデジタルマーケットプレイスなどオープンなシステムについて語ってきましたが、実際に提供されている多くはクローズドシステムでした。データを自社のクラウドから他のクラウドに移動させる際に過剰な転送料金を請求しており、顧客が他者のクラウドに乗り換えられないようにしています。このような閉鎖されたシステムは、イノベーションを妨ぎ、顧客の選択肢を制限してると言えます。 ハードウェアやソフトウェアのベンダーから逃れるためにクラウドに移行した多くのアーリーアダプターは、ベンダーロックインされて逃れられなくなっています。
多くの企業がより多くの選択肢を求め、よりオープンで前向きなクラウドプロバイダーを利用したマルチクラウドを実装しようとしています。Bandwidth Allianceのような業界団体は、クラウドプロバイダー間で無料または低価格でデータを移動できるようにすることを通して、顧客のマルチクラウドの実装を奨励しています。
コンピュート、ストレージ、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)の専門プロバイダーによる最適なサービスを組み合わせたマルチクラウドの実現
最適なサービスの組み合わせ
従来のパブリック クラウド プロバイダーの多くは、コンピュート、ストレージ、ネットワーキングの各種サービスを含んだポートフォリオを提供しています。代表的なクラウド ストレージ ベンダーはいずれも、ブロックチェーン・アプリケーションから機械学習ソリューション、セキュリティ・ツールまで、何十種類もの製品を販売しています。 これだけ多くの製品やサービスを提供/サポートしているプロバイダーにとって、提供している製品全体の専門知識を維持しつつ、最先端の技術を提供することは困難です。実際に、プロバイダーは、何かの専門家ではなく「何でも屋」になってしまっています。
多くの企業は、単一のクラウドベンダーによる実装を避け、アプリケーションや機能ごとに異なるクラウドプロバイダーを活用するようになっています。 Forrester社の調査では、回答者の32%が複数の異なるワークロードのために、複数の異なるクラウドベンダーを使用していると回答しています。さまざまな専門プロバイダーを活用することで、専門家と提携し、最新の技術に対応し、競合他社に差をつけることができます。
DCIG: クラウドからクラウドへのデータを移行するためのベストプラクティス
約85%の企業が、すでに何らかのデータをクラウドに保存しているか、近い将来保存する予定であると回答している一方で、クラウドの費用と複雑さについては、多くの企業が頭を悩ませています。多くの企業はクラウドのメリットを高く評価しており、クラウドを採用することで非用を削減し、ITインフラを簡素化したいと考えています。しかし、多くの場合はその逆で、クラウドの導入により多くのコストと複雑さが発生しています。
既存のクラウドプロバイダーのソリューションを使ってこの状況を改善しようとすると、さらに困難な状況に陥ることになります。
費用とパフォーマンスの最適化
多くの企業は、費用とパフォーマンスのバランスをとるために、複数のクラウドプロバイダーを利用しています。 クラウドの価格、パフォーマンス、サービスレベルは、地域によって大きく異なります。 多国籍企業の多くは、複数のクラウドプロバイダーを組み合わせて活用することで、世界中でアプリケーションのパフォーマンスを最適化し、運用費用を最小限に抑えています。
最新のマルチクラウドデータコントローラーと管理プラットフォームを使用すれば、管理者が定義したポリシーに基づき、ワークロードを自動的にオーケストレーションし、クラウド間でデータを分散させることができます。 特定のアプリケーションに対して最適なクラウドを賢く選択することで、費用を抑え、パフォーマンスを向上させることできます。
耐障害性の向上
冗長性の確保のために、複数のクラウドプロバイダーを利用している企業もあります。あるクラウドをプライマリープロバイダーとして利用し、その他のクラウドを事業継続と災害復旧のためのホットスタンバイとして利用しています。 クラウド間でワークロードやデータを複製することで、大規模なサービス停止やサービス障害が発生した場合でも、継続的なサービス提供を確保することが可能になります。
多くのクラウドプロバイダーは、高い可用性を確保するためのセカンダリーデータセンターを提供していますが、冗長性のために第2のクラウドプロバイダーを使用することで、耐障害性を高め、システム全体の障害を軽減することができます。下図は、データの可用性を高めるために2つの異なるクラウド・ストレージを使用する方法を示しています。 アプリケーションを構築して、両方のクラウドにデータを書き込むことができます。プライマリーストレージにアクセスできない場合、アプリケーションはホットスタンバイであるクラウドストレージにフェイルオーバーすることができます。
Wasabiをマルチクラウド戦略に使用
Wasabi Hot Cloud Storageは、あらゆる目的のための、経済的で高速かつ信頼性の高い オブジェクト クラウド ストレージです。複雑なストレージ階層や、複雑な価格設定でサービスを提供している第一世代のクラウド ストレージ サービスとは異なり、Wasabiはシンプルで、また手頃な価格で拡張することができます。Wasabiは単一の製品を、予測可能で簡単な価格設定で提供しており、ほぼ全てのクラウドストレージのユースケースをサポートしているため、Wasabiはマルチクラウドの実装にぴったりであると言えます。
マルチクラウド戦略でWasabiを使用するメリットは以下のとおりです。
シンプルな価格設定
Wasabiの価格は、シンプルです。使った分を月額で支払うモデル、または予約容量制ストレージ(Reserved Capacity Storage, RCS)を1年、3年、または5年単位で先行購入できるモデルの2つになります。
他社と異なりストレージからデータを抽出するための追加料金(エグレス料金)は不要です。また、PUT、GET、DELETE、その他のAPIコールにも追加料金は不要です。
優れたパフォーマンス
Wasabiの並列化されたシステムアーキテクチャは、第一世代のクラウドストレージと比較して、読み込み/書き込みが早く、TTFB(Time To First Byte)の速度を大幅に向上させます。
詳細は、パフォーマンスベンチマークレポートをご参照ください。(英語)
高いデータ耐久性と保護
データの耐久性、完全性、安全性を徹底的に追求した設計になっています。オプションのデータ保護機能により、意図しない削除や管理上のミスを防ぎ、マルウェア、バグ、ウイルスからデータを保護し、また法規制へ準拠します。
マルチクラウド環境におけるWasabi – Wasabiからのデータを転送料金は不要
豊富な選択肢
Wasabi Hot Cloud Storageは、マルチクラウドの一環として導入することで、ベンダーロックインを回避し、選択肢を広げることができます。Wasabiは、Equinix、Flexential、Limelight Networksなどの大手コロケーション、キャリアホテル、エクスチェンジプロバイダーとの提携により、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Packetやその他一般的なIaaSやPaaSプラットフォームへのダイレクト プライベート ネットワーク接続やパブリックネットワーク接続に対応しています。 これらのプライベートネットワーク接続は、インターネットの遅延やボトルネックを回避し、高速で予測可能なパフォーマンスを提供します。 また、お客様のプライベートクラウドを直接Wasabiに接続することも可能です。
他社のパブリック クラウド プロバイダーとは異なり、Wasabiダイレクトコネクトでは、Wasabiからデータを移動させるための転送(料金は不要です。 また、パブリックインターネット経由でWasabiに接続することもでき、イグレス料金やAPI料金はかかりません。
WasabiはCloudflare社やFastly社などの大手CDNプロバイダーとパートナーシップやピアリング関係を有しているため、Wasabi Hot Cloud Storageをコンテンツ配信ネットワークのオリジンサーバーとして利用することもできます。
最適なサービスの組み合わせ
一般的なIaaSやPaaSプロバイダーとは異なり、Wasabiは100%クラウドストレージに特化したプロバイダーです。非常に速く、手頃な価格で信頼性が高いため、幅広いストレージアプリケーションにWasabi Hot Cloud Storageを使用できます。
マルチクラウドの実装では、AWS EC2、Azure Compute、Google Compute EngineなどのコンピューティングサービスのプライマリストレージとしてWasabiを使用できます。価格と機能要件を満たすコンピューティングクラウドでワークロードを実行し、Wasabiにデータを保存することで、経済的にパフォーマンスを向上させることができます。
Wasabiを、Equinix Metalのような次世代クラウド コンピューティング サービスの主要なストレージとして使用することも可能です。多くのWasabiの顧客は、従来のクラウド コンピューティング サービスを補完または代替するために、次世代のコンピューティングプラットフォームを使用しています。
お客様の中には、開発やテストのために従来の第1世代のIaaSおよびPaaSソリューションを使用し、本番環境に次世代プラットフォームを使用し、可能な限り低価格で高いパフォーマンス性能を実現している企業もいます。また、開発から本番環境までのアプリケーションライフサイクル全体で、Equinix Metalのような次世代プラットフォームを使用している企業もいます。
クラウドでのコンピュート・ワークロードのプライマリストレージとしてのWasabiを活用
費用とパフォーマンスの最適化
Wasabiは、他のクラウドストレージサービスと組み合わせて、費用とパフォーマンスを最適化することができます。 現代のマルチ クラウド コントローラーやデータ管理プラットフォームでは、ポリシーに基づいてクラウドストレージ間でシームレスにデータを移動・分散させることができます。
例えば、Scality Zenkoのようなマルチクラウドデータコントローラを使用する場合、ビジネスルールに基づき特定のアプリケーションやワークロードのための特定のクラウドストレージにデータを自動的に配置することができます。 クラウドストレージの価格やパフォーマンス指標に基づき、特定のワークロードのプライマリストレージを選択することができます。また、マルチ クラウド コントローラを使用して、高可用性のために複数のクラウドストレージにデータを複製したり、ディザスタリカバリのためにセカンダリクラウドにデータをバックアップしたりすることもできます。
Scality Zenkoを使用し、ポリシーに基づきクラウドストレージ間でデータを配布
NooBaa(現在はRed Hatの一部)のようなサードパーティの仮想ストレージコントローラを使用すると、ポリシーに基づいてデータをクラウドストレージとオンサイトストレージに分散することができ、データを保護し、オンプレミスへの投資を有効活用するのに役立ちます。
Amazon S3の耐障害性を向上
Amazon S3ストレージにおいて、費用対効果の高いホットスタンバイ(英語)としてWasabiを利用することができます。Wasabi Hotクラウドストレージは、Amazon S3のクロスリージョンレプリケーション(CRR)に代わる手頃なソリューションです。 S3データのライブコピーをWasabi上に保持することで、異なる地域にあるセカンダリS3の数分の一の価格で、さらに、AWSのシステムを利用するよりも低コストで2つ以上の異なる地域のWasabiにレプリケーションすることができます。S3サービスが利用できない場合、アプリケーションはWasabiにフェイルオーバーできます。
また、データをイミュータブルなWasabiバケットにレプリケートすることで、管理上のミスや意図しない削除、ランサムウェアからデータを保護することができます。 イミュータブルデータオブジェクトは、Wasabiを含め、誰も削除や修正ができません。
イミュータブルストレージを備えたS3ホットスタンバイとしてのWasabi
グローバルコンプライアンス
多くの多国籍企業は、世界各地のさまざまな規制要件を満たすために、複数のクラウドを利用しています。 プライバシーやデータ保持に関する規制は、地域によって異なります。金融業界を例に挙げると、米国では証券取引委員会(SEC)、金融規制機構(FINRA)及び商品先物取引委員会(CFTC)が電子記録の保護と保存についてのルールを設定しています。 一方、欧州連合では、金融商品市場指令(MiFID)および一般データ保護規則(GDPR)により、米国と異なるルールが定められています。 グローバルな金融企業では、世界の各地域のコンプライアンス規制要件を順守するために、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて使用する必要がある場合があります。
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